2023年10月30日月曜日

10/27控訴審結審、判決は24年4月

新潟避難者訴訟は2023年10月27日、控訴審結審を迎えました。

東京高裁に、新潟・福島・東京周辺から、原告・他の訴訟の
避難者、また支援者の方々が集まりました。遠くは愛知岐阜
訴訟の避難者の方が駆けつけました。
 
法廷では、原告側弁護団より、被害論についてと、国の責任に
ついて、最終の意見陳述を行いました。意見陳述が終わる時、
裁判長は厳粛な表情をしていたようでした。傍聴席からは思わず拍手が起きました。
次に、裁判長による結審宣言があり、「判決期日は『追って指定』するが、概ね来年4月を予定している」「その約2ヶ月前に原告被告双方に通知する」との説明がありました。
2024年2月に、4月の判決日時が決まり次第、当ブログに掲載
いたします。

報告集会では熱心な質疑が続きました。
長時間にわたり応援ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

意見陳述書の抜粋を紹介します。意見陳述書全文と、その基になった最終準備書面を閲覧いただけるリンクを、その下に示します。

損害論に関する意見陳述
・はじめに
(抜粋)新潟県は、福島県の隣県であることから、本件事故によって多数の方が避難されました。それらの 避難者は、避難指示区域から避難された方、避難指示区域外から避難された方、様々でしたが、いずれの方も全く予期せぬ本件事故によって、これまでの生活基盤を突然奪われ、慣れない土地で生活することに大変な思いをされていました。不安、動揺、葛藤、孤独、悲しみ、怒り、喪失感等本件事故がなければ必要がなかったはずの数々の精神的苦痛を受けておられました。私たち弁護士は、それらの方々の救済活動を通じ、避難者が等しく様々な困難に直面して生活をされている現実を目の当たりにすることになりました。地域による放射線量に違いがあっても、避難生活の被害の実態には本質的な差異はなく、その被害はいずれも深刻なものでした。本件訴訟は、避難指示区域もそこに含まれ ない地域も不当に差別されることのない解決を目指してきました。その理念は今も変わるところはなく、私たち弁護団は、原告ら全員の被害が十分に回復される判決を求めるものです。
・第五次追補について
・区域外避難者の賠償差別について
・本件事故の被害を捉える視点について
(抜粋)本件は避難者の自己責任・受任を強いる事案ではないという点を改めて申し上げたいと思います。 健康へのリスクが不明であるか高いものとは言えないから避難の合理性・相当性はないとか、政府からの避難指示がないにもかかわらず自分の選択で避難したのであるから避難生活による損害が生じたとしてもその全部または一部は自己責任であるとの論は、結局、その程度のリスクは避難しないで受忍せよと述べているのと一緒であり、本件事故に受忍限度論を適用するのと同じ結果をもたらすものであります。
・避難の合理性・相当性について
(抜粋)被ばくは年間1ミリ未満であるべきという人々の通念は、国自身が作った法律によって構築されたものです。いまさらそれを否定して、避難行動を自己責任・受任限度であると述べるのは、余りにひどいことです。
・金銭評価における差別
・区域外避難者の賠償差別は是正されなければならない
・終わりに
責任論に関する意見陳述 
・令和4年6月17日最高裁第二小法廷判決
・「想定外」ではなく、結果は回避できた
・一審原告の実情
・本件訴訟の将来への意義
・国と事業者の責任
 (抜粋)国と事業者の責任について、(2022年最高裁判決)三浦裁判官の反対意見を引用いたします。「生存を基礎とする人格権 は、憲法が保障する最も重要な価値であり、これに対し重大な被害を広く及ぼし得る事業活動を行う者が、極めて高度の安全性を確保する義務を負うとともに、国が、その義務の適切な履行を確保するため、必要な規制を行うことは当然である。原子炉施設等が津波により損傷を受けるおそれがある場合において、電気供給事業者に係る経済的利益や電気を受給する者の一般的な利益等の事情を理由として、必要な措置を講じないことが正当化されるものではない。」我々、原告、弁護団は最高裁判 所小法廷判決をもって、諦めたわけではありません。最高裁判所が真に「最高」と言えるためには、その名称ではなく、多数の国民を説得しうる判決内容にあるべきと考えます。当裁判所が国の責任について正当な判断を下されることで、先の小法廷判決を変更する道筋をつけられることを強く望むものです。
新潟避難者訴訟最終意見陳述(被害論1~8ページ、責任論1~5ページ)

控訴審第24準備書面:責任論(最終)1~57ページ

控訴審第25準備書面      
:損害論(最終)1~69ページ





ー正当な判決を、待ち望んでいますー

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